★エース・渡邉が逆転に導く2G1A! 北海道撃破の府中が7年ぶり駒沢屋内球技場でのゲームを制す《府中vs北海道》

▽23日に駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場でDUARIG Fリーグ2017/2018第26節の府中アスレティックFCvsエスポラーダ北海道が行われ、3-2で府中が勝利した。

▽前節のシュライカー大阪戦を4-1で勝利して2試合ぶり白星を飾った府中と、前節の名古屋オーシャンズ戦を2-10で敗れて2連敗中の北海道が激突した。府中にとって7年ぶりとなった駒沢屋内球技場でのホームゲーム。試合はいきなり動く。北海道の宮原がハーフウェイライン付近左でボールを奪取。そのまま持ち上がりボックス左手前から左足を振り抜いて右サイドネットへと突き刺した。

▽先制を許したホームの府中はすかさず攻勢に転じる。3分、ボックス付近で粘り強くつなぎ、最後は岡山のパスを渡邉がボックス手前から左足でシュート。しかし、これはクロスバーに直撃する。さらに4分、皆本の右CKを再び渡邉がシュートを放つも今度はGK鶴岡にキャッチされる。

▽同点に追いつきたい府中はボールを保持して攻撃を組み立てるが、北海道のアグレッシブなディフェンスに苦戦する。対する北海道は9分、十川がハーフウェイライン付近でパスを受けると、飛び出していたGKクロモトの意表を突いてシュートを放つもこれはゴール右へと外れる。

▽このピンチを凌いだ府中が試合を振り出しに戻す。11分、左サイドでパスを受けた渡邉が味方とのワンツーでボックス左に侵攻。浮き球のクロスを走り込んだ上福元が頭で押し込んだ。しかし、同点に追いついたのも束の間、一瞬の気の緩みからすぐさま北海道の高山にゴールネットを揺らされる。

▽またも追いかける立場となった府中は12分、皆本がボックス手前からシュート。こぼれ球を上福元が再びプッシュすると、相手DFに当たってクロスバーに嫌われる。

▽その後府中はマルキーニョを投入して攻勢を強める。一方の北海道は献身的なディフェンスからカウンターの機会をうかがう。

▽前半終盤に入ると試合はややオープンな展開に。府中は17分、皆本の右CKから上福元がボックス右手前から右足を振り抜くが、シュートはゴール上を通過する。対する北海道も、自陣でボールを奪った高山がそのままオーバーラップ。ボックス左外からのシュートは相手DFに当たってコースが変わるもGKクロモトの攻守に阻まれる。

▽2-1で北海道がリードして試合を折り返すと、両者の攻防は激しさを増す。まず北海道が22分、敵陣でのパスカットから水上、神とつないで十川がシュート。対する府中は23分、巧みなドリブル突破を見せた岡山のラストパスを渡邉がシュートを放つが、GK鶴岡にセーブされる。

▽それでも府中は24分、柴田がドリブルからシュートを放つと、ブラインドになるポジションに入っていた渡邉に当たり、そのままゴールに吸い込まれた。

▽再び追いつかれた北海道が勝ち越しのチャンスを迎える。28分、十川のキックインを受けた神がボックス右外からクロス。中央の水上が右足で合わせたが、クロスバー直撃。さらに直後、味方のパスに反応してボックス右外に抜け出した水上がループシュートを選択するが、これもクロスバーに嫌われてしまう。

▽終盤に差し掛かると府中が北海道を押し込み始める。30分、自陣左サイドからの内田のパスがボックス右手前の柴田に通り、柴田がシュート。しかし、GK鶴岡の正面に飛んでしまう。

▽その後も府中はマルキーニョスが立て続けにミドルシュートを放ち、再三ゴールを脅かすが決めきることができない。対する北海道は素早い攻撃から両サイドをうまく使おうとするが、シュートまで結びつけることができない。

▽そんな中、府中の得点ランクトップの男がこの日2点目のゴールでチームを逆転に導く。38分、自陣でパスカットした皆本の縦パスを渡邉が受けると、一度左サイドに展開。ゴール前に走り込み、完山の折り返しを押し込んだ。

▽ついに逆転に成功した府中。一方の北海道は直後に酒井をGKの位置に投入してパワープレーを開始する。しかし、パスミスも目立ちシュートまで結びつけることができず、そのまま試合終了。3-2で逆転勝利を収めた府中が連勝を飾ると共に7年ぶりの駒沢屋内球技場で白星を飾った。

 

 

★谷本監督「逆転勝利を収めてくれた点は勝負強さやチームの成長を感じられる」《府中vs北海道》

介監督
――試合を振り返って
「今日は我々にとって単独でのホームゲームであり、府中からは遠い場所になってしまいますけど、多くの方に来て頂けたことに嬉しく思います。試合に関しては、苦しい試合展開でしたけど、最後まで諦めずにしっかりと逆転勝利を収めてくれた点は今シーズンの勝負強さやチームとしての成長を感じられます。優勝するチームや強いチームは悪いなりにもなんとか勝っていくことができるものだと思います」

「常にベストパフォーマンスが出せたり、試合で圧倒できれば良いですけど、メンバーも含めて常にベストメンバーを揃えることは長いシーズンで試合数が多いと難しいこともあります。その中で今シーズンに関しては、誰が出てもそれぞれが持ち味を発揮してくれていることでこういう結果が得られているのではないかと思っています」

「ただ、悪い前半と良かった後半をしっかりと分析して、悪い前半は当然改善していかなくてはいけないので、何が課題だったかはしっかりと終盤だからこそ曖昧にせず、次の試合に向かっていきたいです」

 

 

★渡邉「(駒沢屋内球技場は)花巻時代やFUGA時代にも点が取れているアリーナなので、相性は良いのかなと思う」《府中vs北海道》

◆府中アスレティックFC
▽渡邉知晃選手
――試合を振り返って
「少し立ち上がりの入り方が悪く、ペースを相手に持っていかれてしまいました。1度追いつくことができましたけど、その後に僕のマークミスでやられてしまい、試合を難しくしてしまったので、その点は自分に責任を感じています」

「ただ、ホームゲームだったので、勝つことだけを目指してやっていました。結果的に僅差で難しいゲームになりましたけど、勝てたことは順位を争う上でも良かったことです。ホームゲームということで来てくれたお客さんにとってもこういう接戦の試合の方が観ていても面白いですし、ハラハラドキドキしながら観てもらえたと思います。その中で最後に勝てて良かったです」

――対北海道戦は今シーズン全てが僅差のゲームでしたが
「対戦相手によってやはり噛み合わせといいますか相性というのがあると思います。府中はフィジカルが強くて大きい選手が多い中、クイックネスやスピードのある選手が少ない。それに対して北海道さんはみんな足が速く、クイックネスの動きが得意でどんどんどんどん裏を取ってきたり、スピードでカウンターを狙ってくるので相性的には北海道さんの方が分があるのかなという印象を持っています」

「そのため、それをさせないようにもっと試合を持って行きたかったですけど、相手も勢いがあって難しい試合になったと思います。点差が開こうがどういう展開だろうが最後までがむしゃらに諦めないでくるところが北海道さんの特徴だと思うので、それに40分間最後まで苦しめられました」

――1-2のビハインドで試合を折り返しましたが、後半に向けての改善点は
「まだ20分間ある中で、焦らずに自力で上回ることができるとは思っていました。ゴールチャンスは試合の中で必ず訪れるので、そのチャンスを後半確実に決めきることができれば勝てると思っていました。やり方を変えるとかではなく、焦れずにやることは継続して、チャンスを生かしながらやっていこうと話していました。後半はそれがしっかりとできたのかなと思います」

――そんな中ご自身、前半にクロスバー直撃の惜しいシュートがあり、後半にはきっちりと2ゴールを記録しましたが
「前半のそのクロスバーに当ててしまったシーンは決めなくてはいけない場面でした。個人的にも決められると思っていましたけど、クロスバーに当たり、防がれてしまいました。もったいなかったと思っています」

「ただ、今シーズンに限っては前半の出来が良くなくても、後半に切り替えて焦らずに確実にゴールを狙っていこうという気持ちやメンタルでやれているので、前半悪くても後半に点が取れるのはそういう部分があるのかなと思います」

「1点目(チームの2点目)に関しては、柴田(祐輔)選手がシュートを打った時に僕のイメージとしては相手GKの前に立ってブラインドになって入ればなという思いであのポジションに立っていました。それがたまたま僕のももに当たって、後ろを見たら入ってたというただの運が良いゴールですし、そこまで柴田選手がシュートまで持っていってくれたことに尽きると思います」

「2点目(チームの3点目)に関しては、北海道さんが前がかりになってくる分、うちにもカウンターのチャンスがあると思っていました。その中で味方が奪って、僕につないでくれた時点で3対1の状況が作れていました。両サイドを完山(徹一)選手と内田(隼太)選手が走っていて、どちらに出そうかなというのを駆け引きしていました」

「相手の残っていた1枚のディフェンスが、左サイドの完山選手に出させるようにコースを切っていて、敢えてそっちに出せばそのディフェンスの選手が完山選手の方に寄って、僕にリターンが来た時にフリーになれるんじゃないかなというイメージを持って左サイドに出しました」

「その後、もう一度パスが来いと思った中、完山選手も冷静に見てくれていて、フリーの状況だったので、落ち着いてゴールに流し込むことができました」

――府中にとって駒沢屋内球技場でのホームゲームが7年ぶりの開催でしたが、雰囲気などはいかがでしたか
「僕も府中の選手としてこれまでこの会場でやったことは無かったですけど、花巻(ステラミーゴいわて花巻)の時に1回と、関東リーグ時代のFUGA(現・フウガドールすみだ)に所属していた時によくここで試合をしていました。リニューアルして全然違う体育館になってしまいましたけど、綺麗な体育館になったので、プレーしていて非常に気持ち良かったです。観客席のお客さんも観やすそうですし、すごい良いアリーナなんじゃないかなと感じました」

「僕自身もここで関東リーグ時代や関東リーグのオールスターであったり、花巻の試合の時もゴールを取れてるアリーナなので、相性は良いのかなと思っています」

――次節に向けて
「(湘南は)直接順位やプレーオフ争いをしている相手ですし、前回はホームで負けている相手です。難しい試合になると思います。次は会場が神戸で移動があったり、柴田選手が累積警告で出られず、厳しいチーム事情ではありますけど、今シーズンはそういう試合を何回も乗り切って今の順位、今の勝ち点でいることができています」

「木曜日の今日に試合ができて、回復の時間がかなり持てるので、次の連戦に向けてしっかりと調整していきたいです。次は違うゲームですし、その後に浦安さんとのゲームもあるので、その2連戦は今後に向けて大事なポイントになってくると思っています。まずは湘南が相手で、力の差はほとんどないので、そこをしっかりと強かに勝ち切って順位を一つでも上に上げられるように、そしてプレーオフ進出を早く決められるようにやっていきたいです」

 

 

★小野寺監督「このやり方を続けていれば、勝ち点を取れる」《府中vs北海道》

◆エスポラーダ北海道
▽小野寺隆彦監督
――試合を振り返って
「率直に非常に悔しいゲームだったなというのが一番の気持ちです。選手たちには、勝ち点をしっかりと取るためにチームのやり方を忠実にこなしてくれた点に感謝したいなと思います。比較的にディフェンスラインを下げて相手の攻撃システムを考えれば、そこからカウンターを狙うということを徹底しました」

「実は前節の名古屋戦でもこういう戦いをしていて、前節は自滅をしました。しかし、そこに自信を持ってみんなで戦っていこうということを今日は取り組んでくれました。この短期間の中で選手たちには気持ちを切り替えてもらい、府中から勝ち点を奪おうという姿勢が見えたことが大きな収穫だと思っています。僕たちの勝ち点を取るための戦い方はどうなのかなと思っていた中、絶対にこのやり方を続けていれば、勝ち点を取れると思っています。下を向かずに頑張りたいです」

 

 

引用元:Fリーグモバイル http://sp.f-lg.jp/news/list