★神戸、鈴村のホーム最終戦を白星で飾れず…府中が皆本の2ゴールなどで快勝《神戸vs府中》

▽19日にSuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017第33節の神戸vs府中がグリーンアリーナ神戸で行われ、1-4で府中が勝利した。

▽今シーズン最終節、7位の神戸(勝ち点42)がプレーオフを決めた5位の府中(勝ち点54)を迎えた一戦。この試合は、今シーズン限りでの引退を発表しているFP鈴村拓也の最後のゲームとなった。

▽試合は立ち上がり、神戸がボールを持つがミスからチャンスを逃してしまう。6分、森からの斜めのパスにセグンドで合わせた原田がシュートを打っていくも、これはDF2人に囲まれクリアされる。

▽一方の府中は、永島がボールを奪うとシュートを放って行く。8分には、柴田が中へボールを運びシュート。これは神戸の森に当たりピッチの外へ。

▽スコアが動いたのは11分。CKの流れから逆サイドの相井がシュート。一度はGKクロモトが弾くも、こぼれ球に反応した相井が角度のない位置からシュートを突き刺し、神戸が先制に成功する。
▽先制点を許した府中だが、17分にゴール正面から打った関のシュートがGK小石峯の手をすり抜け、ゴールネットを揺らす。直後にはFKを獲得。これを皆本がきっちりと決め、1-2と府中のリードで前半を終える。

▽後半開始早々、稲田が左サイドからシュートを放っていくが、これは惜しくもサイドネット。直後には、再び稲田がグラウンダーのシュートでゴールを狙うが、ゴールポスト横を逸れていった。

▽追い付きたい神戸は、稲田、相井を攻撃の起点に府中ゴールへ猛攻を仕掛ける。27分、稲田がボールをキープすると、相手DFがズレたところへ相井が合わせ反転シュート。29分には、稲田のシュートがポストを直撃する。続けて、川那部がDF2人に囲まれながらもシュートを放っていく。32分には、キックインの流れから川那部が枠を捉えるシュートを打つも、GKクロモトの好セーブが立ちはだかる。

▽対する府中は、カウンターから決定機を作るが、皆本のシュート枠を捉えられず。府中が1点のリードを守ったまま、試合が終盤を迎えると、神戸は岡崎チアゴをゴレイロの位置に置きパワープレーを開始。しかし、39分に柴田のパワープレー返しが決まると、最後は試合終了のホイッスルと同時に皆本のロングシュートがゴールマウスへ吸い込まれ、1-4で府中が勝利。プレーオフへ弾みをつける結果となった。

★山本監督「フィニッシュがフットボールで一番難しい」《神戸vs府中》

◆デウソン神戸
▽山本尚希監督
――試合を振り返って
「前回の試合から課題を持って臨みました。その課題はクリアできました。なぜ、得点が入らないのか? フィニッシュのかたちをもっとこだわらないといけない。今までは選手たちのポテンシャルで取ってくれていた得点をもっと監督の力を加えながら、システムとしてかたちとして生み出す、それをもたらさないと、今よりは上の順位は難しいと思います。33節戦ってきて、フィニッシュがフットボールで一番難しいと思いますが、そこを追求しないといけない。あとはプレーオフ進出という結果を残せなかったのは、情けない、ぼくの力。全日本選手権はありますが、下を向かずに次に挑みたいと思います」

――今シーズンの総括で手応えを感じた点、また上手くいかなかった点は
「指導者の勉強をして、マッチトレーニングなど基本的なことを言われてやってきて。根本の試合を行って課題を見つけてをくり返す。一試合ごとに手応えは感じていました。また相手によって変化するものあります。手応えがあったのは順位だと思います。前評判、10位、11位になるだろうというところからプレーオフ争いをすることができた。相井のような得点ランカーを出すことができた。他のチームにないものを神戸に作ることができました。それは1年間通して手応えがあります」

「ただ、そのような力に頼って、それでしか打開できなかった。チームとしてかたちを作り上げられなかった。ディフェンス面での失点数。1点差の負け、引き分けの試合。このようなところが課題であり反省点です。それが順位に関わってきたと思います」

 



★鈴村「選手人生の岐路となるようなことはいっぱいあった」《神戸vs府中》

 

◆デウソン神戸
▽鈴村拓也選手
――長い選手人生の中でポイントとなったことは
「サッカーから始まって、その後神戸に残っていたこと。フットサルをスタートできたことが最初。日本代表に選んでもらえなければ間違いなく今の自分はない。また、スペインへ行って経験を積んで日本へ帰ってきたときもそう。病気になったときも。選手人生の岐路となるようなことはいっぱいありました。キリがないくらい。それだけ自分の中で楽しめたと、今は思います」

――今のフットサル界のFIXOをどう思いますか
「これからまた新たなかたちになっていくと思っています。時代が変わってなくなることもあります。FIXOっぽくない選手がFIXOをすることもありますが、それももしかしたら進化なのかもしれない。FIXOらしい選手もいるだろうし、そういった論争が出ることが新たなステップでチャレンジ。何よりも僕のポジションなので、いつか新しい時代のFIXOを作りたい。サッカーでも後ろの選手より前の選手が評価されることが多い。もちろんそれは良いこと。スーパースターは前の選手でいい。ただ、後ろの選手も同じように評価しないと。評価していく、それを見る目が大事。最近の子供たちはみんな上手です。彼らにメンタリティーの部分も含めて、本当に上手い選手とはといったことをいつか伝えていければと思います」

 

 

★鈴村「ぼくにとってはグリーンアリーナが聖地です」《鈴村拓也引退セレモニー》

◆デウソン神戸
▽鈴村拓也選手
「今日は多くの方々に来ていただき本当にありがとうございます。最終節がプレーオフを争う府中との試合にできればと思っていましたが、府中の方が一枚上手でこのようなかたちになり、今日も結果は残念ながら負けてしまいました。府中の皆様、プレーオフ頑張ってください」

「ぼくが神戸に来たのは、高校卒業後サッカーでヴィッセル神戸へ入団をした20年前の2月、神戸に住むことになりました」

「その後、サッカー選手からフットサル選手になり、フットサル日本代表にも選んでいただき、またフットサルのスペインリーグでも4シーズンプレーすることができました。そして、また神戸へ戻ってくることができ本当に嬉しく思っています」

「デウソン神戸でプレーする中、2012年に上咽頭ガンになりました。復帰を目指して頑張るの一言を自分自身にずっと言い続けて、また思ってきました。その復帰の舞台を作ってくださったのは、デウソン神戸をはじめFリーグ、フットサル、サッカー、フットボールファミリーが僕に戻る場所を作ってくれました。僕は目標に突き進むだけだと心に誓い、全力で自分のやるべきことに取り組むことができました。その場所を作ってくださった、デウソン神戸の選手、スタッフ、関わる全ての方々に本当に感謝しています。ありがとうございました」

「僕のプロサッカー選手としてのキャリアのスタートは、隣のユニバー競技場でJリーグデビューをさせていただきました。フットサルに転向をして初めてフットサルシューズを履いてプレーしたのは、ここグリーンアリーナでした。ガンから復帰後プレーしたのもここグリーンアリーナ。そして今日、最終戦を迎えたのもグリーンアリーナです。ぼくにとってはここが聖地です。ここから始まり、ここでリスタートし、そして最後を迎えられました。たくさんの方々のご協力、支え、声援、皆様の力があったからこそ今の僕がいます。最後になりましたが、本当に長い現役生活を支えていただき、応援していただき本当にありがとうございました」

 

 

★原田「不甲斐ないです。勝ちたかった」《神戸vs府中》

◆デウソン神戸
▽原田浩平選手
――試合を振り返って
「ホーム最終戦、鈴くん(鈴村)の引退試合であり絶対に勝たないといけない試合だったが、不甲斐ない結果」

「コンディションも含め、決めないといけないところで決めれず。チャンスで決めれていけば違う結果になっていたと思います。不甲斐ないです。勝ちたかった。全日本選手権はそう思わないように、また練習をして優勝を目指して頑張りたいと思います」

――鈴村選手の引退を受けて
「最初は、日本代表の頃にプレーをさせてもらったが、他の人とは違う考え方や行動が一緒にプレーしていて面白かった。すごいなというイメージがあった。鈴くんは引退してしまいますが、ぼくたちの世代の選手たちが頑張ってFリーグを盛り上げていかないといけないと思います」

◆ホーム最終戦でのあいさつ
「今日はホーム最終戦、たくさんの人に集まていただきありがとうございました。試合は残念ながら負けてしまいました」

「今シーズンチームの目標としていたプレーオフ進出も残念できませんでした。しかし、SNSや速報などでたくさんのひとに応援していただき、誠にありがとうございました。プレーオフ進出が閉ざされたときでも、会場に足を運んでいただいたサポーターの皆様、応援してくださった皆様、今シーズン本当にありがとうございました」

「今シーズンのFリーグは終わってしまいましたが、全日本選手権が残っていますので、引き続きデウソン神戸の応援をよろしくお願いいたします」

 

★谷本監督「全力で勝利すること目指して試合に臨んだ」《神戸vs府中》

◆府中アスレティックFC
▽谷本俊介監督
――試合を振り返って
「リーグ戦最後の試合ということですが、我々にとっては順位が確定している上での試合。この試合がどのような意味を持つかが重要なポイントでした。応援してくださるファン、サポーターの方々、また人生をかけてプレーしている選手たちを含めて、絶対に勝たないといけない試合でした。順位が変わらなくても、全力で勝利すること目指して試合に臨みました」

「ただ、来週はプレーオフという大きな舞台が待っています。そこへ向けて最高のチームにするため、主力選手数名に関しては、ケガの具合やコンディションを考慮して積極的休養を取らせました。そのため、今日はこれまで出場機会があまりなかった選手を多く連れてきました。その中でも、我々は勝ち切れる自信を持っていました」

「相手に取っては、鈴村選手の引退試合であり、またホーム最終戦でもあることから大事な試合だった。これだけ多くの観客の中、強い意気込みで勝ちにくることは予想されました。それ以上に、うちの選手たちが熱いプレーと戦術的な部分を体現してくれたことで、勝利をつかめたと思います。12人だけが府中ではなく、今シーズン登録されているメンバー全員が府中の一員だと改めることができました。プレーオフ、全日本選手権も含めて、よりチーム一丸となって戦っていけるようにしたいです」

――プレーオフへ向けて勢いをつける結果となったが、プレーオフはどのように臨むのか
「プレーオフはリーグ戦の延長という考え方もありますが、中身のプレーでは今シーズン積み上げたことを出すしかない。ただ、気持ちの上では一発勝負。これまでの順位などは一切関係なく、対等なかたちで全力を注いでいきます」

「5位から上がって行かないといけないので、アドバンテージがあることは事実。そこに関しては、チャレンジャーとしてぶつかっていくだけ。来週、どのようなメンバーで行くかはもう一度考え直して、最終的にベストな12人で試合に臨みたいと思います」

――最終節を終えて、今シーズンを振り返ると
「プレーオフへ進んだことは、あくまでもノルマだと思っていました。それを果たしたときは、満足よりも安堵でした」

「満足を得ることができるのは、リーグ戦で1位を取る、もしくはもっと上位争いをしたときだと思います。その点に関しては、いろいろと課題があったと感じている。それは来シーズン以降、修正をしていけるようにしないといけない」

「33節を終えた時点での手応えは、昨年は最終節までプレーオフ争いをしたこともあり、またプレーの質は昨年よりは上回っていると思います。先週は下回っているかもしれませんと言いましたが、冷静に考えるとプレーオフや全日本選手権は、昨年以上の結果を出せるのではという感覚がある。それを証明するために、しっかりと準備をしてプレーオフファイナルへ向けていきたいと思います」


 

★皆本「一生懸命プレーして結果的に勝利できたことはクラブとして大きな勝利になった」《神戸vs府中》

◆府中アスレティックFC
▽皆本晃選手
――試合を振り返って
「今日の試合は、神戸の方が鈴さんの最後の試合でありモチベーションが高いと思っていました。それに負けないくらいの強い気持ちを持って試合に臨まないといけないという話はしていた。実際、試合が始まってからは相手の気持ちを感じました。今日はプレーオフが決まったことで若い選手がたくさんいました。その中で、せっかく試合に出たのに何も残せず終わるのはどうかと言っていた。若手全員が持ち味を出せたわけではないが、一生懸命プレーして結果的に勝利できたことはクラブとして大きな勝利になったと思います」

――今日はプレーオフへ向け弾みがく勝利となったのでは
「今日のような試合で負けてしまうとネガティブな空気になってしまう。若手も出場していた中で、しっかりと勝てたことはプレーオフに向けて新たなメンバー争いにもなる。そういった意味でも今日は重要なゲームだったと思います」

――プレーオフに向けて
「ここからは本当に一発勝負。もちろんここまでの道のりは、1年間の積み重ねがあってのことですが、(プレーオフは)リーグ戦とは別ものだと捉えている。それを理解した上で戦うチームが強いと思うし、チーム全員にそのような意識があります」

「昨年のプレーオフで勝ち抜いたこと、カップ戦で優勝した経験もある。なぜ勝利できたかを僕たちは共有できています」

「リーグ戦ではギリギリでプレーオフ進出となったが、プレーオフは自信を持って臨みたい。
僕たちは一発勝負の試合に自信を持っている。正直、リーグ戦では安定した強さを出す力がまだないと思っています。それが出せるチームであれば、今シーズンを2、3位で終われたと思う。リーグの順位は5位だと決まっているし、まだまだ力がないことは受け入れています。ただ、プレーオフは別もの。自分たちの出番だと思っているので、強さを発揮したいと思います」

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