1:2016/12/21(水) 01:10:37.24 ID:
レアル・マドリーが土俵際まで追い込まれていた。公式戦36試合無敗中のヨーロッパチャンピオンが怒涛のアタックを浴び、たじたじになっていた。

「白い巨人」を追い詰めていたのは、南米チャンピオンでも、北中米チャンピオンでもなく、開催国枠として出場し、3試合を勝ち抜いてきた鹿島アントラーズだった。

 12月18日に行われたクラブの世界一を決めるクラブワールドカップの決勝は、カリム・ベンゼマのゴールでレアル・マドリーが先制し、柴崎岳の2ゴールで鹿島が逆転したものの、クリスティアーノ・ロナウドのPKが決まり、2-2のタイスコアで後半終盤に突入した。

 43分にファブリシオのミドルシュートがレアル・マドリーゴールを強襲すると、44分にはスルーパスを引き出した金崎夢生がクロスを入れたが、カゼミーロによってCKに逃げられた。

 レアル・マドリーがクリアしようにも、永木亮太がセカンドボールを回収し、二次攻撃、三次攻撃へとつなげていく。45分にはカウンターから抜け出そうとした金崎の突破をセルヒオ・ラモスがファウルで阻んだが、提示されかけた2枚目のイエローカードはなぜか、レフェリーの胸ポケットに仕舞い込まれたまま。49分にはゴール右横でクロスを受けた遠藤康が右足を強振したが、ボールはゴールの枠から逸れてしまった。
レアルもだが、鹿島も厳しい日程を越えてきた。

 12月10日にリーグ戦を終えて12日の早朝に来日し、15日にクラブ・アメリカとの準決勝を戦ったレアル・マドリーが万全の状態ではなかった、などと野暮なことは言う必要はないだろう。

 長距離移動を強いられるクラブワールドカップが難しい大会だと言うことは、前身のトヨタカップの時代から彼らは経験済みで、だから、直前のリーグ戦にクリスティアーノ・ロナウド、ベンゼマ、モドリッチといった主力を温存し、この大会に備えている。

 それを言うなら、鹿島も11月23日のJリーグチャンピオンシップ準決勝を皮切りに、29日と12月3日には浦和レッズとの決勝を戦い、休む暇なく今大会に参戦し、8日、11日、14日と連戦したうえ、11日と14日の開催地は大阪だったため、移動を余儀なくされている。

昌子「僕は通用したとは思ってない」

 そして何より、外野が指摘する前に、彼我の差は、ほかでもないピッチの上の選手たちが一番よく分かっている。決勝で改めて能力の高さを証明したDF昌子源が言う。

「見ている人は案外できたんじゃないかって思うかもしれないですけど、けっこうしんどかった。僕は通用したとは思っていない。相手のコンディションもあるだろうし、いろんなことが重なって、僕らにアドバンテージがあった」

 実力差はいかんともしがたいくらいにあった。だが、ホームの利も含め、戦術、戦略、鹿島らしい粘り強さとファイティングスピリッツ、そして、柴崎岳の左足でその差を詰めて、可能な限り勝利の可能性を高めようと彼らはしていた。
相馬直樹が語っていた、濃密な試合の成長効果。

 延長に突入した試合は、クリスティアーノ・ロナウドに役者の違いを見せつけられ、点差を2点に広げられた。それでも勝利を目指して鹿島が相手陣内に攻め込み、翻弄されながらも食らいつく延長後半の戦いぶりを眺めながら、ふと思い出したのは、黄金時代の鹿島の一員だった相馬直樹さん(現町田ゼルビア監督)のこんな言葉だった。

「優勝争いに絡めず10月、11月のうちにシーズンが終わってしまうようなチームもあるけれど、僕は鹿島時代、毎年のように優勝争いをさせてもらい、チャンピオンシップまで何度も経験させてもらった。たかだか1、2カ月と思うかもしれないけど、3年、5年と積み重なれば、それを経験した選手とそうでない選手の差はものすごく大きなものになる。だから自分が日本代表になったり、ワールドカップに出られたのは、鹿島で濃密なシーズン終盤を何年にもわたって経験させてもらったおかげだと思っている」

 '96年のJリーグ制覇に始まり、'97年のジュビロ磐田とのナビスコカップ決勝とチャンピオンシップの伝説の4連戦、'98年の磐田とのチャンピオンシップ、2000年の三冠達成など、相馬や本田泰人、秋田豊らが繰り広げた激闘の数々は、いまなお脳裏に焼き付いている。彼らはそうした経験を重ねてリーグを代表する選手になり、鹿島はJリーグで頭ひとつ、ふたつ抜け出す存在になっていった。
2:2016/12/21(水) 01:10:59.89 ID:
レアルとの延長戦30分は、何物にも代えられない財産。

 今の鹿島の、特に20代前半の選手たちにとっても、チャンピオンシップの3試合とクラブワールドカップの4試合、もっと言えば、決勝におけるエクストラの30分間ですら、今後のキャリアにおいて何物にも代えられない財産になるはずだ。

 もっとも、それは振り返ったときに気づけばいい話で、今の鹿島の選手たちには、レアル・マドリーと好勝負を演じたことへの満足感もなければ、充実感もなかった。あるのは、目の前にあるタイトルを獲れなかったことへの悔恨だけだった。

「結果を求めていたので勝てなくて残念。来年はACLを勝ち抜いてアジア王者としてこの舞台に立って、チャンピオンを取れるように頑張りたいと思う」

 キャプテンの小笠原満男が言えば、昌子源が続ける。

「うちのキャプテンが『2位も最下位も一緒』とよく言うけれど、その意味がよく分かった。優勝して初めて成長したなとか、良いディフェンスだったなと言われる資格が生まれると思う。次に向けて頑張りたい」
思えばCS優勝直後も、意識は「次」だった。

 鹿島にとっての次――それは、天皇杯にほかならない。

 浦和とのチャンピオンシップ決勝が終わった直後、クラブワールドカップの初戦を戦うために横浜に移動したあと、土居聖真はこんなことを言っていた。

「『チャンピオンシップが終わったばかりなのにクラブワールドカップがあって大変ですね』って言われるんですけど、全然。むしろ、クラブワールドカップがあって良かった、天皇杯に勝ち残っていて良かったって思いますね。次のタイトル獲得のチャンスがすぐにある。それにチャレンジできるのは、幸せだなって。満男さんが『次も、次も』って言う気持ちが、今は本当によく分かります」


鹿島は、本当にCWCのタイトルを獲る気だったのだ。

 120分の激闘を終えたばかりのレアル・マドリー戦後のロッカールームで、まさに次のターゲットが確認されていた。永木が「決勝が終わってひと息つけそうか」との質問をきっぱりと否定して、ロッカールームの様子を明かす。

「今もみんなで話し合ったばかりです。次は天皇杯を獲りにいこうって。今、チームの状態は相当いいと思うので、このままの勢いで臨めば絶対に優勝できると思います。今日タイトルを獲れなかった悔しさを天皇杯にぶつけたい」

 このタイトルへの渇望こそ、鹿島の強さの源だろう。

 チャンピオンシップで獲得した18個目のタイトルが、クラブワールドカップでタイトルを逃した悔しさが、心身ともに擦り切れながらひりひりするような真剣勝負を戦った7試合の経験が、鹿島アントラーズというチームをさらに強くする。

http://number.bunshun.jp/articles/-/827096?page=4
3:2016/12/21(水) 01:12:53.30 ID:
鹿島の選手の発言て勝っても負けても向上心のある内容だから好感が持てる
4:2016/12/21(水) 01:13:39.52 ID:
一緒じゃないよ、よー頑張った
最下位だったら開催国枠議論でるとこだったぞ
5:2016/12/21(水) 01:17:05.43 ID:
あの試合は日本人だけというか、鹿島だからこそできた試合だろ。
個人個人がばらばらになったら多分無理。
6:2016/12/21(水) 01:17:34.66 ID:
いやいやあの30分で鹿島の弱小チームの烙印が確かなものになった
この1戦の日本以外の評価は
レアルが本気だしたらあっさり勝った
これ以外にない
鹿島は勝たなくちゃいけなかった
レアルが本気出しても追いつかなかった
にしないと日本ひいてはアジアの評価はあがらない
今までどおり欧州がちょっと本気になったら勝てないレベルのまま
弱小が自分らの評価を上げるためには勝つしかないんだよ
勝っても練習試合だと手を抜いたとかの評価になっちゃうのに
ガチの試合で本気にさせて勝ったという評価以外は全部一緒
8:2016/12/21(水) 01:22:52.23 ID:
>>6
その通り!
鹿島も日本サッカーもまだ何も成し遂げていない。
石井監督もJの他のチームに世界に勝つためにもっとレベルを上げていこうと言っていた。
勝って初めて世界を驚かせるのだ。
10:2016/12/21(水) 01:33:39.58 ID:
入場前からみんな緊張してる中で西が一人だけ笑み浮かべてんだけどこいつのメンタルどうなってるんだ
緊張という概念がそもそも無いのか
11:2016/12/21(水) 01:43:55.69 ID:
あの試合はJのチームにとっての貴重な財産になった
14:2016/12/21(水) 02:22:08.60 ID:
後半ロスタイムのシュートロナウドだったら決めてたのかな?